2019年度青森県立高校入試社会より。
今回、「この1題」といいながら2題扱います。
テーマ:受験のテーマ新潮流SDGs
SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された、
2016年から2030年までの国際目標です。
持続可能な世界を実現するための
17のゴールと169のターゲットがあります。
大問1(5)イ
今回の問題は17のゴールのうち
・ゴール①:貧困をなくそう
・ゴール⑩:人や国の不平等をなくそう
に関連しています。
資料から読み取れること
上記資料は、EU加盟国を4つのグループに分けています。
グループ分けの基準は、
「一人あたりの国民総所得(GNI)」
です。
EUには、一人あたりの国民総所得が
3万ドル以上の国が12か国ある⇔1万ドル未満の国が2か国ある
ということがわかります。
わかりやすいように1ドル=110円で計算しなおしてみましょう。
EUには、一人あたりの国民総所得が
330万円以上の国が12か国ある⇔
110万円未満の国が2か国ある
ということになります。
さらに、国ごとの一人あたりの国民総所得に注目してみましょう。
こちらも数値を実感しやすいように1ドル=110円で計算しています。
ルクセンブルクの一人あたりの国民総所得は
77、000ドル(847万円)
ブルガリアの一人あたりの国民総所得は
7、480ドル(82万2800円)
です。
年収850万円と年収80万円。
生活が全然違いそうですね。
EUという1つの地域統合体のなかで暮らしていながら
そしてユーロという同じ通貨を使って
仕事や生活をしていながら
10倍近く所得(年収)に格差が生じてしまっているのです。
この格差は解消していかなくてはなりません。
先ほど見た通り、国連もSDGsにおいて
・貧困の解消
・国家間の不平等の解消
を目標に掲げています。
今回の問題は単なる資料問題としてではなく
受験の新潮流に則った新しい「典型問題」として
解きたいですね。
解答(例)
EUでは、加盟国間での所得格差が大きくなっている。
大問2(4)
この問題は
SDGsのうち
・ゴール⑬:気候変動に具体的な対策を
に関連してます。
多くの場合において、
気候変動=地球温暖化
です。
そして、温暖化の影響で日本の気候は
『熱帯化』が進んでいるといわれています。
具体的には、
①気温が上がりやすくなり、
最高気温が35度以上の『猛暑日』が珍しくなくなった。
②一部の限られた地域に突如として降る集中豪雨、
『ゲリラ豪雨』が降るようになった。
こういった変化が生じています。
これを踏まえての、今回の問題です。
資料2には、柱のある巨大な空間が写っています。
右下にいる人のサイズから、
この空間の巨大さが伝わってきます。
太い柱、広い空間、何も置いてない。神殿のような空間ですね。
ここは、大雨が降ったときに雨を貯留するための施設です。
集中豪雨対策というわけですね。
こちらも、
新しい「典型問題」として覚えておいてくださいね。
解答(例)
雨水をためて洪水を防ぐ
今後もSDGsに関連した問題は増えるものと思われます。
皆さんも問題演習の際には意識してくださいね。