名門公立高校受験道場流
『自学力の育て方』
全国の書店で大好評!発売中!
このシリーズも今年で8年目となりました!
戸谷洋志
【岩手県】で出題!
『SNSの哲学 リアルとオンラインのあいだ』
(創元社、2023年)
【福島県、福井県】で出題!
『未来倫理』
(集英社、2023年)
【佐賀県】で出題!
『友情を哲学する 七人の哲学者たちの友情観』
(光文社、2023年)
戸谷先生の著作から4県で出題がなされました。いきなり人気入試国語課題文の仲間入りです。戸谷先生に注目するのは、作問担当の先生方の嗅覚が優れているといえるでしょう。戸谷先生はハンス・ヨナスの倫理思想の研究をご専門とし、ドイツ語圏の現代思想における技術思想の研究や未来倫理学の研究に加えて、哲学対話などの実践も行なっています。ハンス・ヨナスを中心とする倫理思想に通暁しつつ、著作にあるようにSNSの問題といった現代的な課題にも取り組んでいます。上記の著作はいずれもおすすめですが、特に『友情を哲学する 七人の哲学者たちの友情観』が非常におもしろいです。この本は、哲学×漫画で友情とは何かを考える内容です。
八木沢敬
【青森県】で出題!
『ときは、ながれない 「時間」の分析哲学』
(講談社、2022年)
八木沢敬先生は、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校教授であり、分析哲学という分野の泰斗です。本書は、分析哲学を背景に時間をさまざまな観点から考察するものです。課題文は、視覚にもとづく存在論の可否を問い、科学的探究の方法論としての「最良の説明への推論」が紹介されている箇所です。そのなかで「なぜわたしたちは、いかなる意味でも目に見えず可視化できない時間の存在を否定しないのでしょうか。」という純度の高い哲学的問題が取り出されています。
河野哲也
【東京都立国立高校】で出題!
『人は語り続けるとき、考えていない 対話と思考の哲学』
(岩波書店、2019年)
2021年度には同書から東京都立立川高校、埼玉県、京都府にて出題され、2022年度には三重県、山口県、鹿児島県[『問う方法・考える方法 ―「探究型の学習」のために』(筑摩書房、2021年)から出題]にて出題されており、近年、大流行中の河野先生です。課題文は、哲学対話とはどのような対話のあり方なのかが説明されている箇所です。対話の本質について理解することができる箇所です。
信原幸弘
【長野県、熊本県】で出題!
『「覚える」と「わかる」 知の仕組みとその可能性』
(筑摩書房、2022年度)
信原先生の文章は、2023年度の東京都立入試においても出題されました。信原先生は、「心の哲学」という分野において我が国の第一人者であり、近年はニューロフィロソフィー、ニューロエシックス、ニューロリテラシー等の研究に取り組んでいらっしゃいます。長野県における出題箇所は、直観的な理解のあり方を考えるために、直感と知覚との差異を考察する文章です。熊本県の出題箇所は、一人称的主観的世界と三人称的客観的世界の相互性が確認される内容です。
金杉武司
【大阪府A問題】で出題!
『哲学するってどんなこと?』
(筑摩書房、2022年)
金杉武司先生は、上記の信原先生のお弟子さんですね。専門は心の哲学や西洋現代哲学です。課題文は、「時間とは何か」という問いの扱い方を考える内容です。
中村雄二郎
【大阪府C問題】で出題!
『哲学の現在―生きること考えること』
(岩波書店、1977年)
中村雄二郎先生は、2017年に亡くなられましたが、日本代表する哲学者といえます。高校入試や大学入試の入試問題において、中村先生の文章がこれまでもよく出題されてきました。直近では2023年度に、都立立川高校の国語の問題で出題がなされました。2024年度の大阪府C問題では、歴史論が扱われており、歴史が現在と断ち切られることによってむしろ特別な様相を持ったものになるのはなぜなのかという問いが検討されます。その答えとして、歴史とは現代に生きる私たちの鏡であり、過去の歴史は現代の私たちの生き方がどのようなものなのかを映し出すことが説明されます。