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都立推薦入試小論文の極意 都立日比谷高校シリーズ(7)

20年12月26日

 

令和2年度 東京都立日比谷高校 

推薦選抜にもとづく選抜 小論文

 

―解答への導き―

問題はこちらより。

http://www.hibiya-h.metro.tokyo.jp/SelectedEntrants/TestTheme.html

 

解答例

https://note.com/polly82jp/n/n69544ae205ce

 

こちらの記事も読んでおきましょう!

 

・都立日比谷高校 推薦入試小論文の極意

https://doctor-of-philosophy1982.amebaownd.com/posts/713391

 

・都立日比谷高校 推薦入試小論文の肝

https://doctor-of-philosophy1982.amebaownd.com/posts/2854141

 

―総評―

集団が意思決定をする際の方法論について吟味させる非常におもしろい問題でした。問題を解けばわかると思いますが、挙げられている3つの方法で、決定される演目がそれぞれ異なりますね。そのなかで、どの方法が優れていると考えられるか、その判断を行う。これが今回の問題では問われていました。

実はこの問題、同様の問題が慶應義塾大学総合政策学部で出題されています(2018年度総合政策学部小論文)。出題の規模が異なりますが、主旨や問題意識としては、慶應と日比谷はほぼ同じ問題でした。私は過去に慶応の問題を解いていたので、今回の日比谷の問題は「あ〜、これねぇ〜。めっちゃ簡単じゃん!」と一瞬錯覚してしまいました(笑)。しかし、初見の受験生にとっては、面食らったかもしれませんね。これを50分間で解答することを考えると、昨年度も日比谷の問題はなかなかハードな問題だったと言えます。文章作成技術はある程度身につけられたとしても、資料の分析法や発想法を鍛えておかないと日比谷の問題は簡単には解答できないと思います。

 

 

―問1 攻略法―

まず、図1を集計し、図2の表を埋めながら、指示どおりに各方法によってどの演目が選出されるか、明らかにしましょう。これができないと問2ができません。

 

得票結果

 

①単純多数決

上記のように集計できれば、単純多数決による得票は以下のようになります。

 

桃太郎:6+9=15票

アニー:6+8=14票(2位落選)

レミゼ:5+8=13票(3位落選)

 

したがって、単純多数決では、桃太郎が選ばれます。

 

②決選投票付き多数決

課題文にあるように、決選投票として「1回目の得票数第1位または得票数第2位に投じられた票数に、3位で落選した人が挙げた2位の票数」をそのまま加算していきます。

 

桃太郎15票+5票(3位落選グループEの第二位の票数)=20票

アニー14票+8票(3位落選グループFの第二位の票数)=22票

 

以上より、決選投票付き多数決では、アニーが選出されます。

③ボルダルール

すべて点数化したものが以下になります。かっこの中が点数です。

点数を集計すると、

 

桃太郎:18+27+12+8+10+8=83点

アニー:12+9+18+24+5+16=84点

レミゼ:6+18+6+16+15+24=85点

 

したがって、ボルダルールでは、レ・ミゼラブルが選出されます。

 

以上の結果を端的に文章化してまとめれば、問1の解答としては問題ありません。

 

 

 

―問2 攻略法―

問1で、単純多数決では桃太郎が、決選投票付き多数決ではアニーが、ボルダルールではレ・ミゼラブルに演目が決定することがわかりました。決定方法によって得られる結果が異なる点が興味深いですね。どの決定方法がいいのでしょう。得られた結果を踏まえて、じっくり考える必要があります。

 

考えるべきポイントは二つ。

 

ボルダルールによる各演目の総得点は、

何を反映していることになるのか。

 

単純多数決や決選投票付き多数決には、どのような問題があるのか。

 

ボルダルールによる点数化は、演目の人気度の比重を反映していると言えます。また、たとえば単純多数決では、票割れが生じる難点があります。こうしたポイントを考えられるかどうかが攻略の鍵となります。各決定方法のメリット、デメリットをいろいろと考えてみてください。また、演目を決定する際に重視するべきことは何なのかを考えることも大切です。演目はこのクラスにおいて皆が取り組みたいと思うものである必要があるから、より多くの生徒から賛意が得られる演目が選出される必要がありますよね。以上の点について、判断の根拠を明確にしながら、論述を行っていく必要があります。

 

 

 

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