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都立推薦入試小論文の極意 都立日比谷高校シリーズ(9)

22年08月22日

 

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令和4年度 東京都立日比谷高校 

推薦選抜にもとづく選抜 小論文

 

―解答への導き―

問題はこちらより。

http://www.hibiya-h.metro.tokyo.jp/SelectedEntrants/TestTheme.html

 

解答例

https://note.com/polly82jp/n/nf811aa1a14da

 

こちらの記事も読んでおきましょう!

・都立日比谷高校 推薦入試小論文の極意

https://note.com/polly82jp/n/n7c57485e72f6

・都立日比谷高校 推薦入試小論文の肝

https://note.com/polly82jp/n/nf7de02d2e001

 

〈総評〉

R4年度の問題は、地球温暖化対策と再生可能エネルギーに関連するもので、いわば定番のお題でした。受験生のなかでこのテーマに触れたことがない人はいないでしょう。しかし、紋切り型の答えを書いても、完璧な解答には辿りつけません。複数の資料を正確に分析し、論理的に関連づけたうえで、制限字数内に収める文章力が求められます。さらに、問2では、温暖化対策の内容だけでなく、ひとひねりを加えて、対策の派生的効果が問われたため、通り一遍の小論文対策では太刀打ちできなかったと思います。やはり日比谷高校を目指す生徒は、解法の定石を抑えることは当然ですが、さらに広く視野を持ち、社会的、世界的問題を多角的に考えられなければなりません。そのためには、日ごろからニュースや新聞に触れ、幅広い読書をする必要があるでしょう。どちらの問いも字数指定が非常に厳しいので、必要な情報を端的に表現することが求められます。基本となる文章作成技術に加え、正確な資料分析法、柔軟な発想法を身につけていく必要があります。

 

問1

再生可能エネルギーに関連する四つの図表が示され、再エネ推進の取り組みについて、日本と欧州を比較する問題でした。それぞれの図から何を読み取ればいいかは比較的容易にわかります。図1を見れば、欧州に比べて日本が再エネ以外の電源に大きく依存していることが一目瞭然ですし、図2は再エネ(とくにバイオマス)の発電コストが火力に比べて高いことを示しています。図3からは、欧州も日本も、太陽光発電のコストが年々下がっていることが分かりますが、下げ幅は欧州のほうが大きく、日本では割高になってしまっている現状が読み取れます。最後に、電力網の仕組みに大きな違いがあることが図4からわかります。

さて、ここまでは、日比谷を受験する中学生であれば即座に見て取れることです。しかし、これらの情報をただ並べるだけでは不十分です。出題者は、受験生が四つの図の論理的関係を見極められるかを尋ねています。つまり、それらのあいだで原因、結果、例示といった何らかの関係が成り立っているのではないか、と考える必要があります。そのように考えてみると、図1が、テーマである再エネ推進に向けた日本の現状を端的に表していることに気づきます。そして、なぜ日本の再エネ利用が進んでいないのかが、コストや電力網という個別の観点から図2~4によって説明されているのです。

提示されている情報に対して指定字数がかなり少ないので、すべての図に触れながら必要な情報だけを簡潔にまとめるのは至難の業でしょう。そのため、入念な対策が不可欠になります。

 

 

問2

地球温暖化にまつわる問題でしたが、単にありきたりの対策や目的を問うのではなく、その対策から「付随して得られる効果」を問うことで、想像力を働かせて常識の一歩先を考えさせる良問でした。さらに、「温暖化対策を進めていくなかで生じうる問題」も併せて問うことで、温暖化という広くコンセンサスの取れた問題の裏面を考えさせ、受験生の多角的な思考力や発想力を見ようとしています。

回答に当たっては、まずはメジャーな温暖化対策を複数思い出したうえで、それらの副次的な効果を考えてみましょう。つぎに、副次的効果のうち、より一般性・普遍性の高いものを選び、回答にまとめます。最後の温暖化対策の負の側面については、現代社会が抱えるその他の問題(模範解答では食料問題)を考え、それと結びつけられないか、という発想が求められます。

この問題も字数制限が厳しいので、余計なことは書かず、主語と述語の対応に注意しながら、端的に論述するよう心がけましょう。

 

 

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