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都立推薦入試小論文の極意 都立西高校シリーズ(12)

23年12月25日

 

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令和5年度 東京都立西高校 

推薦選抜にもとづく作文問題

  

 

次のことばについて、あなたが感じた、考えたことを六百字以内で述べなさい。(50分)

 

「木は不幸ではない。冬の木は葉を落(おと)して素裸かもしれないけれど、不幸ではあるまい。」(開高健)

 

 

解答例

https://note.com/polly82jp/n/n9df14d6b07fb

 

こちらの記事も読んでおきましょう!

・都立西高校推薦作文問題の極意

https://note.com/polly82jp/n/n7c81d26f14a2

 

・都立西高校 推薦入試作文の肝

https://note.com/polly82jp/n/nb41b26da4cac

 

 

解答への導き

令和5年度の都立西の推薦作文では、開高健のことばが出題されました。開高健は各種の文学賞を「総なめ」にした、昭和を代表する作家です。例年、科学者や数学者、思想家のことばが出題される中で、令和3年度の黒井千次に引き続き、小説家のことばからの出題は二度目です。出題される文学的な「ことば」を解釈する力が求められる試験だといえます。

 

ステップ1 ことばを分析し、論点を提示する

小学生でもわかる、非常にわかりやすいことばです。しかし、その意味するところを考えることは簡単ではありません。冬になり、葉を落として素裸となった木の姿について、「不幸ではない」と「わざわざ」いわれます。一般に冬枯れの木が与える印象についてまずはよく考えましょう。葉を落とした冬の木の姿は、どのように見えるでしょうか。葉というかつては自分の一部であったものを失った木は、物悲しく、不幸なあり方をしているように見えると思います。しかし、開高健はそうした見方を否定します。それはなぜなのかを考えていく必要があります。すなわち、「自身の一部であったものを失った存在が、不幸ではないといわれるのはなぜなのか」という問いについて考えることができるとよいです。

 

ステップ2 ことばを解釈する

今回の模範解答では、自分の体験と木のあり方とを対比的に解釈する書き方をしています。「かつては自身の一部であったものを失う」経験や体験を考えてみます。さらに、そうした経験をすることが必ずしも不幸ではないという理屈を示すことができれば、開高健のことばを自分の経験に即して理解し、説明することが可能となります。模範解答では、自身の一部であったものとして、「思い出の品」や「記憶」といったものをテーマとして取り上げて説明を行っています。

 

 

ステップ3 解釈にもとづきことばから何を感じたのか、思ったのかを説明する

全体としてこのことばをどのように解釈し、理解することができるのかについて説明することを示すことができたら、設問の要求に従って、最終的にこのことばから何を感じたり、思ったのか説明します。模範解答では、「失われたものを糧にして人も木も生きていく」という点を挙げています。

 

ことばの解釈を適切に行い、ことばに対する自分の理解や考えを示すためには、中学生のみなさんにとってはかなりの訓練が必要だといえます。都立西高校の推薦入試作文問題は、ことばの解釈を行うことが求められるため、ただの作文ではありません。そもそも文章を書く訓練すら行っていない段階から、試問題に臨む力を備えるためには、非常に時間がかかります。可能な限りはやく対策を始めてもらいたいと思います。

 

 

 

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