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都立推薦入試小論文の極意 都立西高校シリーズ(8)

20年08月25日

 

令和2年度 東京都立西高校 

推薦選抜にもとづく作文問題

 

次のことばについて、あなたが感じたり
思ったりすることを六百字以内で述べなさい。
(50分)
  
「わかりやすさ」の罠(わな)に
はまらないようにするためには、
やはり私たち社会を構成するひとりひとりが、
「知る力」をもっと鍛えなければなりません。
(池上彰)

 

 

解答例

https://doctor-of-philosophy1982.amebaownd.com/posts/9656545

 

こちらの記事も読んでおきましょう!

・都立西高校推薦作文問題の極意

https://doctor-of-philosophy1982.amebaownd.com/posts/630159

 

・都立西高校 推薦入試作文の肝

https://doctor-of-philosophy1982.amebaownd.com/posts/2930969

 

 

解答への導き

都立西の推薦作文では、

例年、学者や思想家の言葉が出題されてきました。

しかし、今年はジャーナリストの池上彰の著作

 

『わかりやすさの罠 池上流「知る力」の鍛え方』

集英社新書、2019.

 

からの言葉が出題されました。

 

近年で最も難しかったのは、

 

やはりH29年の

「世界は『のっぺらぼう』である。」(西江雅之)

でしたが、

 

それ以降の難易度は、易化傾向にあると思われます。

来年はどうなるか、楽しみです。

 

名だたる超一流の学者や思想家の言葉が

出題されてきたのに、

 

そこに池上彰が並び、何と言いますか、

「池上かよ!?」、という気分になります。

  

「西高も大したことなくなっちゃったんだなぁ」と

一瞬思いましたが、実はさにあらず。

 

これについては、次回、述べます。

 

今年もまずは、解法の導きから!

さっそく、いってみましょう。

 

ステップ1 課題文を解釈する

 

まずは、何といっても

「わかりやすさの罠」という言葉が何を意味するのか、

考えなくてはいけません。

 

わかりやすいというのは、いいことなのではないか。

そこにある、「罠」とはどういうことなのだろうか。

 

しかも、

池上彰自身が

わかりやすくニュースを解説するおじさんなのに、

それを否定するような「罠」という言葉は

いったい何を意味するのか。

 

わかりやすくニュースを伝えたり、

聞いたりすることの裏には何があるんでしょうか。

 

池上自身が解説するニュースは、

非常に物事が簡略化されており、

複雑な因果関係や周辺状況の説明が削ぎ落されています。

だから、わかりやすいのです。

 

もちろん、

ある事象を最初からすべて説明することは不可能ですし、

それがよいことというわけではありません。

 

しかし、簡略化された、

「自分がわかる」

「自分にとって聞きやすく、心地の良い」

ニュースや情報ばかりを

得ていたら、どうなるでしょうか。

 

そこにある「罠」を

具体的に考えることが鍵となります。

 

「複雑なものを複雑なままにとらえる」

知性がないと、どんなことになってしまうのか、

考えてみてください。

 

模範解答では、池上の言葉を

 

自分にとってわかりやすく、

都合が良い情報のみを得て、

信じた結果、そのわかりやすさそのものに騙されてしまうこと

 

とする解釈を提示しました。

 

こうした課題文に対する解釈を示すことが、

西高作文攻略の第一歩です。

 

 

ステップ2 解釈を支持する具体例を挙げる

 

上記のように、解釈を提示出来たら、具体例を挙げましょう。

 

H31年度の「解答の導き」では、

ステップ2で「解釈にもとづいた自分の主張を行う」と

指示していますが、

 

どのような構成を行い、どのように説得力のある作文のスタイルを

構築するかも考えるべきポイントですから、

問題に合わせて最も効果的な構成を考えていきます。

 

「このスタイルで書けば、絶対大丈夫!」と

いうことはありません。

 

自分の論の展開に合わせて「適切なスタイル」そのものを

考えることが重要ですし、そうした思考力を西高は求めます。

 

模範解答では、

ナチスドイツ政権下のドイツ国民を例に挙げました。

みなさんも、歴史の授業で習ったと思います。

もちろん、これ以外にも具体例は無数に考えられます。

 

大事なことは、

自分の提示した解釈を広く一般的に支持する事象を

具体例として挙げることであり、

そうした発想ができるかどうかです。

 

今回、歴史的事実に訴えたのは、

提示した解釈をもっともよく表す事象であり、

誰もが認めうる事実だと判断したからです。

 

中学生は、作文となるとだいたい日常生活、

しかもほとんど部活動の体験から具体例を考えようとします。

 

発想が度し難いほど貧困と言わざるをえませんね。

 

しかし、西高を目指す諸君らは、

広く社会や歴史に目を向けて、

ものを考える必要があるというわけです。

 

社会科や国語など学校の授業で学んだこと、

本で読んだこと、ニュースで知ったことなど、

ともかくもっと広い観点から考える必要があります。

 

そのためにも、

日常的に様々なことに関心を持つようにしておきましょう。

 

池上彰のわかりやすいニュースを漫然と聞き、

「へぇ~、そうなんだぁ」と納得しているだけではダメなのです。

 

 

ステップ3具体例にもとづいて自分の主張を行っていく

 

ナチスドイツ政権下のドイツ国民のあり様と、

池上の言葉から何が言えるのか。

 

自分の主張を具体例にもとづいて、述べていきます。

 

模範解答では、二つの主張を行っています。

 

①わかりやすいものや耳触りの良い言葉、

自分にとって都合の良い情報だけを得ようとしてはならない、

 

②事物の背後にある複雑なものや

自分にとって切実な問題に向き合いながら、

物事をより深く知ろうとしたり、

時には批判する知性や勇気を身に付ける努力が必要だ

というものです。

 

こうした主張を自分で考えることができるか。

ともかく、西高の作文問題は考えさせる問題です。

 

与えられた問題をルールや定石にしたがって解く

(というか、処理する)という意味での問題ではなく、

素材をもとに発想をいかに展開するかが問われる問題なのです。

 

 

以上の3ステップを踏まえて、最後に簡潔な結論を

述べれば、模範解答のような答案ができます。

 

 

 

 

 

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