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都立日比谷高校への道

都立推薦小論文の極意 都立日比谷高校シリーズ(2)

16年04月26日

都立推薦入試小論文の極意
都立日比谷高校シリーズ(2)

 

平成28年度 東京都立日比谷高校
推薦選抜にもとづく選抜 小論文
―解答への導き―
(問題はこちらより。)

 
解答例1
https://note.com/polly82jp/n/n3a75e895f831
 
解答例2
https://note.com/polly82jp/n/n25ed7d8ab197  

 
大問1

 
図1は、気象庁が大気中の
二酸化炭素濃度を観測している地点である
綾里、南鳥島及び与那国島の位置を示している。
図2は、これら3地点における大気中の
二酸化炭素濃度の変化を示したものである。
あとの各問に答えなさい。

 
問1 図2から、3地点の大気中の二酸化炭素濃度の変化に
共通する特徴を二つあげなさい。

 
二酸化炭素濃度の変化グラフに見られる
顕著な特徴について記述すればよい。

 
①三地点の二酸化炭素濃度の変化サイクルがほぼ同じであること。
②年を追うごとにだんだんと二酸化炭素濃度が上昇していること。
③毎年4月から7月までは二酸化炭素濃度が減少傾向にあること。

 
などを記述できればよいだろう。

 
問2 南鳥島、与那国島の2地点はほぼ同じ緯度であるが、
大気中の二酸化炭素濃度の変化に相違がある。
相違点とそれが生じる要因について、
あなたの考えを80~100字で書きなさい。

 
まず、図2のグラフから、
総じて与那国島のほうが南鳥島よりも
二酸化炭素濃度が高いことを読み取る。

 
そのうえで、
ほぼ同じ緯度にある二つの島の
二酸化炭素濃度の違いの要因を考えなければいけない。

 
そこで、与那国島のほうが中国に近いという地理的環境を考慮しよう。

 
そして、中国は近年、経済発展が著しい一方で、
大気汚染が深刻化している。
これらの要因を結び付けて考えれば、
解答の記述はさほど難しくないだろう。

 
Ⅱ 
図3、図4は、地球における炭素の循環の様子を、
産業革命前(図3)、現在(図4)について
模式的に示したものである。
また、図5、図6は、二酸化炭素濃度と気温変化を、
1980年ころに予想したものであり、
図5は、経済成長を維持してエネルギー源を
石油や石炭に求めた場合、
図6は、経済成長を抑制してエネルギー源を
核エネルギー太陽エネルギーに求めた場合のものである。
あとの問に答えなさい。

 
問 今後、気温変化の上昇をできるだけ抑えるためには、
エネルギー源をどのように求めればよいか。
図3、図4から読み取れること、
図5、図6から読みとれることをそれぞれ簡潔に述べ、
炭素の循環、経済活動、持続可能性の三つの視点をふまえながら、
あなたの考えを400~440字で書きなさい。

 
当たり前のことだが、
問題によって指示されていることは必ず記述する。

 
この場合は、図3、図4、図5、図6から読みとれる内容をもれなく記述する。

 
また、図3と図4、図5と図6はそれぞれ対照的に比較検討されるべき図だ。
ようするに、二つの図のあいだの違いを見てとればよい。

 
それぞれの図から読みとったことを簡潔にまとめたうえで、
いよいよ本題だ。

 
気温上昇を抑えるために、
どのようなエネルギー源をどのように用いていくべきなのか。

 
化石燃料の使用による二酸化炭素排出によって、気温は上昇する。

 
したがって、化石燃料の使用を今後は抑えていくことが考えられるだろう。

 
しかし、化石燃料からのエネルギー転換には経済活動への多大な影響がある。

 
さらには化石燃料にかわる太陽エネルギーや核エネルギーの使用は、
それぞれにコストや安全性の問題があり、
持続可能なエネルギー利用という観点から問題がある。

 
これらの点を踏まえたうえで、
自分の考えを結論として述べられるとよい。

 

 

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都立推薦入試小論文の極意  都立日比谷高校シリーズ(1)

16年04月12日

都立推薦入試小論文の極意
都立日比谷高校シリーズ(1)

   
日比谷高校の課す小論文の問題の特徴は、
学問的に言えば社会学的な方法論
を背景に持つ出題の傾向がある。

  
すなわち、資料を分析し、
そこに課題や問題を見出し、
解決策を提示するという
アプローチを受験生に取らせる。

  
その結果、当然、
日比谷高校が提示する
小論文評価の観点も以下のようなものだ。

  
・出題の意図を的確に把握する力
・資料を正しく分析し、考察する力
・根拠を明確にして自分の意見を的確に表現する力
・文章を論理的に構成する力
(都立日比谷高等学校ホームページより抜粋)

 
したがって、受験生は「出題の意図を的確に把握し」、
「資料を正しく分析し、考察」して、
「自分の意見の根拠を明らかにして的確に表現」し、
「文章を論理的に構成」すれば、
小論文に関しては合格するわけだ。

  
まったくもって基準が明確であり、
資料読解型小論文の王道だ。

  
とはいえ、上記の力はどれも一朝一夕で
身につけることができるものではない。

  
第一に、資料分析の技法をマスターしなければならない。

  
要するに、
資料のどのような点に着目するかという訓練
を行わなければならない。

  
課題提示をするための資料分析の「目」
を養う必要があるのだ。

  
第二に、資料にもとづいて課題が提示できたとして、
それに対する解決案を提示できるかが問題となる。

  
明らかに実現不可能であったり、荒唐無稽な方法や、
奇抜な提案にならない「妥当」で「現実的な」
解決策を提示しなければならない。

  
これに対しては、訓練をする上で、
社会的問題に対する視野の広さや、
現実的な問題に対する
建設的な思考力を身につけて行かなければならない。

  
最後に、文章を記述する技術的な訓練も必要だ。

  
問題とそれに対する解決策を
たった原稿用紙一枚という制限のなかで、
かなりコンパクトに
まとめなければならない。

  
これもすぐには身につけられない。
継続的な訓練を要するだろう。

  
【哲学博士による都立推薦小論文道場】では、
受講者に以上のような力を備えてもらうべく、
論文執筆(講師は全員が実際に学術論文を執筆しております)
論文指導のプロが
徹底指導を行います。
講師との指導・対話を通して、世の中の見方や議論の仕方、
さまざまな概念や語彙をスリリングに身につけてもらい、
日比谷高校の集団討論・個人面接にも対応しうる力も養います。

 

 

 

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