都立推薦入試小論文の極意
都立西高校シリーズ(2)
平成28年度 東京都立西高校
推薦選抜にもとづく作文問題
次のことばについて、あなたが感じたり
思ったりすることを六百字以内で述べなさい。
「人生には二つの道しかない。
一つは、奇跡などまったく存在しないかのように生きること。
もう一つは、すべてが奇跡であるかのように生きることだ。」
(アルベルト・アインシュタイン)
解答例1
https://note.com/polly82jp/n/nd4d5724e501a
解答例2
https://note.com/polly82jp/n/nf6a41f372659
解答への導き
一番のキーワードは「奇跡」だ。
この言葉をまずはきちんと定義して、
自分の主張を論じていかなければならない。
「奇跡」=常識的には考えられない神秘的な出来事。
「奇跡」という言葉の辞書的な定義はこうしたものだ。
「ありそうもないことが現実に起こること」
ぐらいの意味では受験生も
意味を把握していたのではないか。
スタートとしては、そこから出発してもらっていい。
常識=奇跡なんてそうそうあるもんじゃない。
ましてや、フツーの日常生活で奇跡なんてない!
こうした考え方にたいして、
「すべてが奇跡であるかのように生きること」
というアインシュタインの言葉を「解釈」すること
が受験生には求められる。
この世界にある奇跡的なことはなんだろうか。
この問いについて考えることが、
今回の作文を作成するうえで
肝要なものとなる。
模範解答では、
今を生きるわたしが他の誰でもない唯一無二の「私」として
存在している点を、奇跡的な事態だと解釈する考え方を示した。
また、神様がこの世界を創ったという宗教的な逸話から、
奇跡を考える視点を二つ目の解答例として出してみた。
「こんな解答、自分じゃ作れないよ…。」
まだ何の準備もしていない受験生は、きっとそう思うだろう。
でも、訓練すればできるんだな。
このような解答を提示できるような観点を備えてもらうために、
哲学博士による都立推薦小論文道場では、
都立西高校推薦専門対策として、
受験生には以下のテキストを用いて講義をする。
池田晶子 『14歳からの哲学 考えるための教科書』トランスビュー
都立西高校の推薦作文の問題は、
毎年、科学者、文学者、詩人、精神科医らの、
ビッグネームの言葉が洋の東西を問わずに出される。
そこに通底しているのは、
・人が生きるということはどういうことか
・この世界をどのように見るのか、
・物事を探求するとはどういうことか
(知るということはどういうことか、
学ぶというのはどういうことか)、
といった哲学的な問いである。
(大人でも答えるのが難しいこのような問いを
課してくる都立西高校の
レヴェルの高さがみんなにはわかりますか。
推薦なめんなよ!(笑))
以上のような問いに対して、
受験生の皆が参考にするべき最適の手引きが
『14歳からの哲学』なのだ。
すでにこの本を読んだことがある受験生もいるだろう。
池田氏は、自分の頭と言葉だけを使って、
素手で哲学の問題に取り組んでみせる
数少ない本物の哲学者だ
(残念ながら、2007年に46歳という若さで亡くなってしまった)。
彼女の言葉や考えの筋道を追うことで、
受験生に本物の思考力を体感してもらいたい。
物を考えるってのは、こうやるのだ!
という実践の本でもあるから、
都立西高校の推薦作文対策にはもってこいなのだ。
哲学博士による都立推薦小論文道場では
『14歳からの哲学』から思考のエッセンスを引きだし、
受験生にさまざまな観点を身に着けてもらい、
作文にアウトプットできる力を養う。
訓練すれば、
求められている「格」に見「合」う解答は必ず作れる。
臆せずにチャレンジしてほしい。
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