平成31年度 東京都立西高校
推薦選抜にもとづく作文問題
次のことばについて、あなたが感じたり
思ったりすることを六百字以内で述べなさい。(50分)
「数について何かを発見するためには、
数を転がして、ころころと手のひらで
弄(もてあそ)ぶことが一番重要なんです。」
(藤原正彦)
次のことばについて、あなたが感じたり
思ったりすることを六百字以内で述べなさい。(50分)
「数について何かを発見するためには、
数を転がして、ころころと手のひらで
弄(もてあそ)ぶことが一番重要なんです。」
(藤原正彦)
都立西、都立日比谷の推薦入試作文/小論文課題を
見てください。
(http://www.nishi-h.metro.tokyo.jp/09nyushi/saku.html)
(http://www.hibiya-h.metro.tokyo.jp/SelectedEntrants/TestTheme.html)
今年も夏期集中講座を募集いたします。
を見て、慄いているみなさん(笑)。
夏期集中講座で、まずは作文/小論文に対する
アプローチの基礎を学びましょう!
第一弾は公立自己採点3塾平均の公開。
dosh.(ドッシュ)の由来は呉越同舟。
子どもたちの可能性を拓く同志との共闘体制です。
(dosh=お金という意味もありますが響き優先で)
“神奈川に個人塾の風を”
断言します。
今年も都立西・日比谷推薦入試対策が始まっています。
推薦入試を受けることを決めているならば、
対策をしないと、ラッキーなんかで合格しませんよ。
日比谷の小論文、西の作文課題を見れば、
すぐわかると思います。
こんにちは。代表の佐藤です。
二学期が始まりましたね。推薦入試
も視野に入ってきましたでしょうか。
都立西、都立日比谷推薦入試志望者に
言っておきます。
今年度夏期講習講座開講時のブログ記事
でも述べているとおり、推薦入試は、
ラッキーやまぐれ当たりで合格する
試験ではないですからね。
一般入試と同様に、十分な対策をしないと合格しないし、
きちんと対策をすれば内申点38からでも合格する。
(内申点38からの都立西高校推薦合格物語)
についての記事はこちらへ。
今回は埼玉県の英作文の分析から
今後の入試で必要になってくる【知的突破力】を身につけよう!
Today AI is widely used for a lot of different purposes ,
such as computers and machines .
Some people say that AI should be used more .
What do you think about this idea ?
賛成か反対か自分の立場を明らかにて、その理由が
伝わるように書きなさい。
こんにちは、代表の佐藤です。
都立推薦入試について言われること
曰く、「推薦入試は宝くじみたいなもの」
曰く、「倍率も高いし、受かったらラッキー」
曰く、「対策しようがないじゃん」
何を言っているんだ、君は。
都立推薦入試は、宝くじではないし、
ラッキーで受かるものでもないし、
対策ができるんだよ。
宝くじは誰でも買える。
しかし、推薦入試はきちんとした志望の動機
を持って、推薦入試を受ける準備をした人が
受ける資格があるし、合格する。
宝くじとは全然違うからね。
2018年、都立西高校推薦入試に合格した君たち
の先輩の1人は、素内申点が38だった!
解答例
https://note.com/polly82jp/n/nf2337555cfa3
こちらの記事も読んでおきましょう!
・都立西高校推薦作文問題の極意
https://doctor-of-philosophy1982.amebaownd.com/posts/630159
・都立西高校 推薦入試作文の肝
https://doctor-of-philosophy1982.amebaownd.com/posts/2930969
H29年度の「世界は『のっぺらぼう』である」(西江雅之)
という文章よりは、取り組みやすい問題だったと思います。
岡潔は、日本を代表する数学者です。
多変数複素関数論という分野において大変な功績を残しています。
また、『春宵十話』などの随筆も多く残しており、
彼の考え方や生き方に触れることができます。
出題されている言葉は、
人間的魅力にもあふれた懐の大きなこの数学者が、
評論家の小林秀雄との対談
(小林秀雄、岡潔『人間の建設』新潮社)のなかで言った言葉です。
この対談の中では当然文脈があり、
岡がこの言葉で言わんとしていることがすぐわかります。
しかし、
試験では文脈なしにこの言葉だけがポンと出されるわけですから、
この言葉を自分なりに解釈していかなければいけないのは、
西高校の推薦入試作文のもう伝統ですね。
まずは、この言葉を解釈することから始めましょう。
「問題を出さないで答えだけを出そう」……
たしかに、言葉どおりに受け取れば、
問題が出されなければ答えが出るはずもありません。
大数学者である岡が、
そんな当たり前のことを言うはずがありません。
そこでまず、岡の言葉のここに注目してみましょう。
「答えだけを出そう」
昨今、日本では「結果=答え」を出すことのみを評価する傾向にあり、
企業などでは結果を出す実力を持った人が評価される「成果主義」を
採用するところも増えました。
しかし、適切な課題や問題を見出さなければ、
「結果=答え」は出ません。
たとえば、試験勉強のときに、
指定の試験範囲とは異なる、間違った問題を解いていたら、
試験で結果は出ませんね。
あるいは、英語のテストの点数が悪いとき、
「どうして英語の点数が伸びないのか」という問題/課題よりも、
「自分が点数を取れていない長文の問題で得点するにはどうしたらいいか」
という問題/課題の立て方のほうが具体的であり、
対策がしやすくなるため、結果を出すことができます。
こうした例をもとに、岡の言葉を考えてみてください。
岡が言っているのは、
「適切な課題/問題を出していないのに、
答え=結果を求めるなんてことはできない」
というように解釈することができます。
以上のように、岡の言葉を解釈できたら、
岡の言葉を受けて、自分の主張を考えていきましょう。
模範解答では、答えを出すことを追い求めるばかりではなく、
そもそも「問いそのものを立てることが重要である」
という主張を行っています。
どのような主張を行うかを考え、
なぜそのように考えたのか、理由を
説明しましょう。
また、どのような主張をしても構いませんが、
その主張を行う理由・根拠を説明する
必要があります。
小論文/作文では、何かを主張したら必ずセットで
その理由・根拠も述べるようにしましょう。
自分がしようと考えている主張を的確に示す例を考えましょう。
独創性というのは、ここで表現します。
独創性というと、
「誰も考えつかないような素晴らしい考え」
や「これまでになかった考え」を示さなくて
はいけないと考える生徒が多いようです。
こうした考えに振り回されて、突飛な考えや奇をてらった考えを
書いてくる生徒がよくいます。
しかし、小論文/作文で表すべき独創性とは、
そうではありません。
自分の主張に対して、自分が考えた適切な具体例
を示すことが独創性なのです。
具体例については、いろいろなことが考えられます。
したがって、自分独自の例を挙げることが独創性を
表現することになるのです。
そして、重要なことは、自分の主張をきちんと体現する
具体例を示すことです。何を示すための例なのかを
考えて、主張を支持する例を挙げましょう。
模範解答では、「AIに対する問いの立て方」を例として
挙げることで、主張を例証しています。
以上の3ステップを踏まえて、最後に簡潔な結論を
述べれば、模範解答のような答案ができます。
小論文対策として、この課題の小論文を書いていない受験生は、
以下の文章を見ないほうがいいです。岡の言葉が出てくる
文脈がわかってしまうからです。
この課題文の岡の言葉が
出てくる箇所を引用しておきます。
岡:
フランスへ行きましたのが一九二九年から一九三二年、
そのころまでは数学のなかのどの土地を開拓するのか
ということはきまっていなかったのです。
フランスに三年おりました間に、その土地を決めた。
土地を選んだということは、
私に合った数学というものがわかっておったのでしょうね。
そこまでいくと、はっきりした形では言えませんが、
以後三十年余りその同じ土地の開拓をやっているわけです。
小林:
それはどういうことですか。
岡:
その当時出てきていた主要な問題をだいたい解決してしまって、
次にはどういうことを目標にやっていくかという、
いまはその時期にさしかかっている。
次の問題となるものを作っていこうとしているわけです。
小林:
今度は問題を出すほうですね。
岡:
出すほうです。立場が変わるのです。
中心になる問題がまだできていないというむつかしさがあるのです。
小林:
ベルグソンは若いころにこういうことを言っています。
問題を出すということが一番大事なことだ。
うまく出す。問題をうまく出せば即ちそれが答えだと。
この考え方はたいへんおもしろいと思いましたね。
いま文化の問題でも、何の問題でもいいが、
物を考えている人がうまく問題を出そうとしませんね。
答えばかり出そうとあせっている。
岡:
問題を出さないで答えだけを出そうというのは不可能ですね。
小林秀雄、岡潔『人間の建設』新潮文庫、pp.69-70.
以上のような文脈で、
岡の言葉が発せられているわけです。
ベルグソンというのはフランスの哲学者です。
ベルグソンの言葉を小林が紹介して、
それに応答する岡の言葉なのです。
小林が紹介する
ベルグソンの言葉「問題をうまく出せば即ちそれが答えだ」を、
いくぶんひねって表現した非常に示唆的な言葉です。
ここを出題してくる西高校出題担当者の方、
いつかお話してみたい(笑)。
上から目線で申し訳ないですが、素晴らしいセンスです。
こんな先生方に教わることのできる西高校の生徒は、
羨ましいなぁと思います。
【受験生向け講座】
①通信添削
②スカイプ添削
③都内某所での合宿講座
を開講予定です。
詳しくは下記のフォームからお問い合せください。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/2478c063472725
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貴塾での塾内授業や貴塾生への通信添削・スカイプ添削を
受け付けております。ご遠慮なくお問い合わせください。
雄飛教育グループ
AO・推薦入試小論文専門塾 潜龍舎 プロデュース
【哲学博士による都立推薦小論文道場】
担当 佐藤陽祐
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