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都立推薦入試小論文の極意 都立日比谷高校シリーズ(5-1)

18年06月05日

平成30年度 東京都立日比谷高校 
推薦選抜にもとづく選抜 小論文

 
―解答への導き―

 
問題はこちらより。
https://www.hibiya-h.metro.tokyo.jp/SelectedEntrants/TestTheme.html
解答例
https://note.com/polly82jp/n/na2ff4fdbbd96
 

―問―

 
図1は、
世界5か国の年間平均降水量を示したものである。

 


図2、図3は、
それらの国の水資源量と、
水資源量のうち実際に使用した水の量である
水資源使用料を示したものである。

 
図4、図5は、
それらの国の国土面積と人口に関する資料である。

 
また、図6は、
安全な飲料水を手に入れられる人の割合を示したものである。
これらの図をもとに、次の問1と問2に答えなさい。

 

問1

図1~図4から、
他国と比較した日本の水資源量の特徴を示したうえで、
図5から、
水資源量を国民1人あたりに換算した場合の
現在の日本の特徴と、今後予測される変化について、
200~240字で説明しなさい。

 

問2

地球上の水資源問題の特徴について、
図1~図4から読み取ることのできる側面と、
図5から読み取ることのできる側面の両面から説明し、
さらに図6も参考にして、
安全な飲料水を手に入れられる人の割合が少ない国に対して
日本としてできることについて、
あなたの考えを320字~360字で述べなさい。

 

―総評―

 
H30年度の問題は、水資源利用のあり方を問う問題でした。
水資源利用問題もこれから課題となる世界的テーマです。

 
H29年度の社会保障制度についての問題もそうだったように、

 
近年の日比谷高校の問題は、
社会的問題、グローバルな問題を数値とともに
考えさせる傾向があります。

 
したがって、推薦入試を受けると決めたら、
時事問題等についてまとめられた本を、
一通り目を通しておき、
自分だったらその問題をどのように解決するか考えておくと、
解答しやすくなります。

 
世界の水資源についての資料の分析を行う問1と、

 
水資源利用の課題についての解決策を
問われる問2から構成されています。

 
複数の資料の特徴を短時間のうちでおさえ、

 
さらに問2では
「安全な飲料水を手に入れられる人の割合が少ない国
に対して日本としてできること」を、
ファクトベースで発想し、提示しなければなりません。

 
これを50分間で解答することを考えると、
H29年度の社会保障制度についての問題に引き続き、
日比谷の問題はなかなかハードな問題だったと言えます。

 
文章作成技術はある程度身につけられたとしても、
資料分析法や発想法を鍛えておかないと
日比谷の問題は簡単には解答できないと思います。

 

―問1 攻略法―

 
【設問の指示に愚直に従い、
資料の分析をコンパクトかつ的確に行え!】

一見すると字数のわりに、指示が多い設問に見えます。つまり、

 
①他国と比較した日本の水資源量の特徴を説明したうえで
②図5から、水資源量を国民一人あたりに換算した場合の現在の日本の特徴と、
③今後予測される変化について

 
という3ポイントについて説明する必要があります。

 
設問の指示には愚直に従ってください!
一つでも要件を落としたら、
減点か得点できないと思っていたほうがいいです。

 
上記の3ポイントを押さえるための資料分析を行う必要があります。
ただ漫然と資料を眺めているだけではダメですよ。

 

ポイント①

 
水資源量の特徴を説明する必要があるのだから、
図2をまずは見る必要がありますね。

 
水資源量が突出して豊富なアメリカ、カナダと、

 
それに比べると豊富とは言えない
日本、フィリピン、ナイジェリアに分けられますね。

 
だから、アメリカ&カナダと、
日本の水資源量を比較するのが妥当でしょう。

 
また、フィリピンは、
水資源量は日本とさほど差がありませんが、
年間平均降水量については差があることが
図1からわかりますので、これも指摘しましょう。

 
また、図4があるので、
単位面積あたりの水資源量を算出して、
他国と比較することが可能です。

 
ちなみにこの資料にもとづけば、
日本の単位面積あたりの水資源量の割合は113%であり、
他国を圧倒して水資源量は豊富だと言うことができます。
(算出の仕方は、省略しますよ。ただの百分率の計算なので。)

 
他国と比較することが求められているのですから、

 
比較の軸をきちんと立てて、
簡潔に言語化していくことが重要です。

 

ポイント②

 
「水資源量を国民一人あたりに換算した場合の
現在の日本の特徴」と言われていますので、

 
国民一人当たり換算の水資源量を算出しましょう。

 
図5から現在の日本人の人口をおよそ1億2000万人だと見て、
水資源量を人数で割れば一人当たりの水資源量が出てきますね。

 
水資源量が多いアメリカ、カナダもついでに算出しましょう。

 
そして、日本と比較すれば、日本の特徴が述べられます。

 

ポイント③

 
「今後予測される変化」。これは図5を見るとわかりやすい。
日本の人口は今後減少傾向にあることが読み取れますよね。

 
少子高齢化が進んでいると聞いたことがあると思います。

 
この人口変化と水資源量を結び付けて考えると、
解答の方向はおのずと出てくると思います。

 
上記の3ポイントを240字以内でまとめると、
模範解答のような解答ができあがります。

 

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